ニュースの感想

テロ対策特別措置法

  • 米山 隆一
  • at 2007/9/09 21:06:14

 安倍首相がテロ対策特別措置法の延長問題に関連し、海上自衛隊の補給活動の継続は国際公約であるとして職を賭して取り組んでいく方針を明らかにするとともに、継続が不可能となった場合に「職責にしがみつくことはない」と言明したと報じられています。

 私は、テロ対策特別措置法の延長それ自体には賛成ですし、与党は出来る限り延長の努力をするべきだと思います。しかし、この発言が伝えられている通りなら、自民党の一員、しかもペーペーの浪人の身として非常に不適切である事は承知の上で、「この発言は、正直、残念です。公約を守る事は非常に重要なことですが、それは対外公約でも対国内の公約でも同じです。総理は選挙前、選挙後を通じて多くの国民に対して多くの公約を発表しました。そうである以上、それらを遂行する義務があります。対外公約を1つ守れなかったからといって国内に約束した数多くの政策の実現を放棄することは、一国の首相の為すべきことだとは思えません。」と申し上げたいと思います。

 テロ対策特別措置法に対する国際的評価が高い事は、論を待ちません。また、もし延長不可能で撤退するなら、他国への引継ぎを含めて1年から半年前には告知するべきで、「継続」を表明しながらの突然の延長断念は、責任ある国家として取るべき行動でないのも勿論でしょう。しかし、「常に責任ある行動を取っていなければ、国際社会から尊敬されず、つまはじきになってしまう」と言うのは、率直に言って日本人的完璧主義による、思い込みに過ぎません。私はそういった日本人の純粋さがとても好きですが、それを国際政治の舞台で発揮するのは御人好しが過ぎると言うものです。世界で最も尊敬されている国の筆頭であろう(と同時に最も嫌われているのかもしれませんが)国連安全保障理事国の面々、アメリカ、中国、ソ連、フランス、イギリスのどの国も、国際政治の大半の場面では「責任ある行動」をとりますが(と私は信じますが)、「自国の国益」や「自国の重大局面」がかかったときは、極めて利己的な行動をとります。それは、現在の国際社会の常識では、「望ましくはないにせよ許される行為」であり、現にこれらの国の極めて利己的な行動の多くは、結局のところ黙認されています。

 日本のテロ対策特別措置法も、延長に誠心誠意努力すべき事は勿論ですが、延長できなければ出来ないで、「国内事情がこうだから、どうにもならない。申し訳ない」と言えばそれで済むことです。それどころか、今回の件では有難いことに相手は、「小沢一郎」氏と言う、「ヒールをやらせたら日本一」と言う方です。ここは「我が自民党は国際貢献を行うべく粉骨砕身努力した。しかし大変残念なことに、野党小沢一郎氏の反対で、我々の努力は無に帰した。このような場合に他人の責任に言及する事は日本では良しとされないが、小沢氏が先の選挙で勝利してこのような政治力を得た背景には、アメリカ政府が日本と十分な協議のないまま、拉致問題を積み残して北朝鮮への妥協を急いでいるように見えることや、アメリカ下院が日本政府の言い分を全く無視して従軍慰安婦決議を採択したことも、遠因としてある。このような状況が続けばアジアでアメリカの国益も大きく損なわれるのであり、今後同様の事態が生じないよう、アメリカ政府も日米関係に細心の注意を払っていただきたい。」と開き直ってしまうくらいのタフネスを示していただきたいと、私は思います(小沢氏を悪役にする事は、氏を尊敬する一人として大変申し訳ないのですが、国益の為に「日本一のヒール」から「世界一のヒール」になる事は、氏にとっても本望ではないかと推察致します)。

 明日から、国会が再開されます。浪人中の身でこのような事を書くことを改めて謝らせていただきますが、総理が、日本国の首相として、テロ対策特別措置法の延長に劣らない熱意を持って、国民に向かって行った数多くの公約の実現の為に職を賭して取り組まれることを心より希望します。

 


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コメント

民主党議員たちは、参議院の防衛・外交委員長ポストを獲得した、とはしゃいでいますが、本当に身の程知らずのお調子者ですね。

民主党は、自民党右派出身の小沢代表一派と、共産党よりも左派の横路代議士らのグループが、ただ自民党打倒と政権奪取という「接着剤」で何とかくっついているだけの団体ですよね。
政党の構成員は、憲法・国防・外交では、政策と理念で一致していなければならず、民主党は
国防と外交は一番の「泣き所」でしょう。

党内の国防・外交政策の政策・理念の一致もまともできないのに、国防と外交の委員長ポストを獲って、一体どう議院と国政を運営できるのでしょうね?

これまで見たいに、なんでも反対、反対の為の反対、気に入らなければ、思い通りに行かなければ審議ボイコット、というお気楽なわがままばしてきた民主党に、果たして国家の運営の重要柱の国防と外交を運営できるのでしょうかね?

委員長ポストを獲るということは、これから具体的な実現可能な政策を立案し、議院と国民に提示しなければならないんですよ!

私のような何の力もない庶民がわかっていることを、どうして民主党の国会議員がわからないのでしょうかね?

なまじ民主党が議席・勢力を持った為に、新たな「失われた30年」が日本を襲いそうな気がします。

  • Posted by .
  • at 2007/09/09 23:33:59

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