米山隆一の10年先のために

　株価が乱高下しています。麻生副総理はこれに対して「超高速の機械取引も一因」とされていますが、超高速取引が稼働したのは今年の1月4日、対して安倍ノミクスが本格稼働したのは黒田日銀総裁が就任した3月20日以降で、株の乱高下はこの5月になってから発生しています。ここ数カ月の株価上昇が高速取引のおかげだというのなら株価下落も高速取引のせいでしょうが、株価上昇が安倍ノミクスのおかげであるとする以上、株価下落もまた安倍ノミクスのせいであると考えるのが普通でしょう。

　経済学的には、これは割と当たり前のことです。黒田総裁は「異次元の緩和」と銘打って、市場に資金を大量に投入しました。突然資金が来たからと言って、わずか数カ月で買うものが増えるわけではありません。だぶついた資金が行き場を失って株に向かったことにより価格が上昇し、利食い売りによって簡単に下落したというのが現下の状況でしょう。
　日銀がお金を刷れば、政府が公共事業をすればそれで景気が回復するというのはあまりにも虫がよく、日本経済の復活は、政府の不断の経済改革、企業の経営努力、そして何より、私たち一人一人の努力、そしてそれを裏打ちする努力が報われる社会の実現によってしか成し遂げられないことは、当然のことだと言えます。

　翻って私も、既に3回落選して今度は無風と思いきや暴風雨に見舞われると、つい運のせいにして嘆きたくもなるのですが（笑）、それではいけません。自らの失敗は自らの力不足故としっかり認めて、自らの努力でこの窮地を乗り切りたいと思います。

　維新の会もまた同じです。批判を受けるのも支持率が低下するのも、全て自らの力不足が原因です。自らを鍛えなおして、自立する強い日本を創れる強い政党に成長していきたいと思います。