活動報告

言論の自由 ~抑圧と獲得~

  • 米山 隆一
  • at 2015/4/01 09:48:12

 ニュースステーションのコメンテーターであった古賀茂明氏が,「官邸からの圧力」を巡ってキャスターである古館一郎氏とバトルの上降板されたことが、話題になっています。
 私はこの件は、自分自身の経験とも重なっているうえ、多少なりとも関係者を知っていることもあり、極めて興味深く拝見しています。

 単なる推測ですが、実際の問題として私は、菅官房長官が明示的にテレビ朝日に圧力をかけたことがあるとは思えません。2009年の政権交代選挙で私は田中真紀子氏に敗れましたが、その後の党のパーティで通りがかった菅氏(当時古賀氏退任後の代理ではありましたが実質的な選挙対策委員長であったと記憶しています。)に、「後2000票、惜敗だったな。」と笑いもせずに話しかけられました(票数はもっと離れていましたが、私が2000増え、田中氏が2000減っていれば復活当選でした)。いかな実質的選対委員長とはいえ、落選候補の復活当選ラインまで把握していたのにはさすがに感嘆するとともに、正直少し「敵に回したくない人だな。」という感覚を覚えたものです。
 その菅官房長官が、わざわざ自分の身と政権を危うくする発言をするはずもなく、おそらくはテレビ朝日幹部は、菅官房長官の「何気ない会話」から古賀氏への批判、古賀氏を使っていることへの批判を感じとり、勝手に「菅さんを敵に回すと、何が起こるかわからない。」と気を回して古賀氏の降板を決めたものと思われます。

 因みにこれに極めて類することは、私自身、「わが身に起こったこと。」として経験しています。私は上記の2009年選挙において、まあ何というか、結構「いわずにはおれない。」という思いになりました。
 そして、それでも自分なりには抑えに抑えたつもりで、
 「敗北(http://www.election.ne.jp/10840/79791.html)」
 というタイトルのブログを書きました。
 ところがこれが、自民党の地方権力者の方の、逆鱗に触れました。私はその方を含め、誰一人からも、「批判するな」とは言われませんでしたが、突如私に関して決まっていた自民党内の人事はひっくり返り、それまで親しかった人たちが私に話しかけなくなり、気がつくと後ろでひそひそとささやかれるようになりました。
 勿論最後まで私を支えてくれた人たちもいますが、正直私自身がやさぐれて周囲にあたってしまったこともあって(未熟だったもので―笑)、気がつけば私は本当に一人になっていました(繰り返し最後まで支えてくれた人たちもいますが。)。
 言論の自由を抑圧するのに明示的な圧力はいらず、周囲が権力者を漠然と恐れさえすればそれは可能なのだと、私はこの時知りました。
 逆に言うなら、言論の自由は、極めて傷つきやすく、むしろ権力者の側が、細心の注意を払って自らの言動が周囲に影響しないようにしなければ保てない繊細なものなのであり、それをするのが自由主義社会において権力を得たものの責務なのだと、私は思います。

 ところで上記の事態の後、私は不幸になったか、口をつぐんでしゃべらなくなったかというと、それがそうでもありません。どっこい生きてるシャツの中(若い方には絶対わからないと思います―笑)、決して多くはないとはいえ、しかしこちらが頭が下がるほど根気よく支持して下さる方々に支えられ、維新の党に拾っていただき、幸いにして新潟県参議院第1支部長と、総支部代表代行の立場を与えられ、好き勝手にしゃべり(笑)、自分が正しいと思うことを主張し、選挙に取り組み、議席を得て、やがて国政を変え、日本とこの地域に自由と繁栄をもたらすのだと、大真面目に信じ、希望に満ちて政治活動を行っています。
 言論の自由を抑圧するのに必要なのが明示的な圧力ではなく漠然とした恐怖であるのとちょうど反対で、言論の自由を守るために必要なのは相手への反発ではなく、自らの主張に対する信念とあくなき希望、そしてそれを実現するための覚悟であろうと、私は学んだつもりです。

 古賀さんも、維新の党を含め、覚悟を決めて政治活動を行われるなら、むしろ言論の自由のアイコンとなられ、特に来夏の参議院全国比例に出られたらトップ当選して大きな政治力を持ちうるのでしょうから、今回の件はむしろ自らの主張を実現する大きなチャンスととらえることもできるように思います。

 ローマは一日にして成らず、言論を抑圧しうる側は本当に言論の自由というものの価値を理解しそれに最大限の配慮をしているのか、言論の自由を獲得しようとする側は本当に覚悟をもってそれを得ようとしているのか、日本社会全体の自由に対する在り方が今問われているのだと、私は思います。

注)本日はエイプリールフールですので、本稿にかかれていることの一部、特に私や関係する方々に関わることは、すべて「嘘」ということでお許しいただければと思います(笑)。


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