活動報告

 安倍総理が、3月15日にもTPP参加を表明すると報じられています。これに対して自民党の多くの議員が勇ましく反対を表明しながら、結局は「農業は守る、医療は守る、国益は守る、だから大丈夫。」とおっしゃられています。その方々に、是非私は問いたいと思います。

 「どうやって農業を守るのですか?どうやって医療を守るのですか?どうやって国益を守るのですか?」と。

 私自身、実家の養豚業の経営に携わってまさに体感しているのですが、日本の農業は、TPPに参加していない今現在、小規模高コストで、企業として採算に合うものではありません。高齢化と後継者不足は、必然です。例外品目の関税を維持すれば農業が守れるなどというのは、農業の現場を知らない方のたわごとにすぎません。TPP反対集会で「農業を守る」とおっしゃられている方は、是非、その具体案を示していただきたいと思います。

 医療も同じです。これまた医療・介護の現場に携わっているものとして、特に地方における医師・看護師・介護士の不足は深刻です。救急車たらいまわしによる患者の死亡が、今まさに起こっているのです。また、山中教授の言を待つまでもなく、日米の医療研究、特に臨床研究の体制は格段の開きがあります。放っておけば、日本の製薬会社は、日本の家電業界より一足早く、世界市場から消え去るでしょう。ここでも、TPPに参加しなければ日本の医療が守られるなどというのは、医療の現場、研究の現場を知らない方のたわごとにすぎないのです。TPP反対集会で「医療を守る」とおっしゃられている方は、是非、その具体案を示していただきたいと思います。

 日本は良い国です。世界に誇るべきことが、たくさんあります。しかし、同時に多くの問題を抱えていること、農業が衰退し、地方で医療が提供されず、製薬業界が世界に大きく後れを取っていることも、我々は直視すべきです。
 自らの現状を顧みることなく、過去の夢に囚われて、外の世界にいたずらにNoというのではなく、自己を直視し、たゆまぬ自己変革を行い、果敢に外の世界にチャレンジする日本を、私は作りたいと思います。


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コメント

はじめまして。TPPをめぐる議論は、反対派と賛成派でズレが生じやすいと思います。

小生は、TPP(交渉)の持つ、時間軸における非対称性という問題に着目して反対するということを最初に述べておきます。

その上で、農業の抱える最大の問題は、企業化が比較的困難なこと=大規模化が困難なことであり、TPPとは実は直接関係ないと思います。とはいえ、間接的に関係はあります。この問題を解決してからでないと、大規模化以前に、現在の分散した、小規模経営による農地が死んでしまいかねません。今の段階でTPPに加入すれば、競争力云々以前に日本の農業が死んでしまいかねません。

 次に、医療の問題は、国民皆保険の問題が最大の課題ではないでしょうか? 国民皆保険が民間保険の「参入障壁」とされた場合、世界に誇るべき日本のシステムはどのようにして守られるのでしょうか?

 次に、製薬に関しては、最大の問題は、諸外国で承認された薬品について、日本では再度承認を得るために、10年は下回らない臨床試験などのデータ取りが必要なことです。そして、(IPSを含む)臨床試験についての問題は、まさに国家による投資の問題であり、全くTPPとは無関係です。

 以上、田舎に住み、農業経営者を友人に持つ、製薬関係の会社に勤めるエンジニアからの意見です。

  • Posted by 佐野 鷹男
  • at 2013/03/13 20:58:32

佐野さん

コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、農業の抱える最大の問題点は、大規模化です。しかし、それは本質的に困難なのではありません。減反政策等々で、あえて「小規模農家保護政策」を戦後ほとんど70年にわたって自民党政権が続けてきたから、困難なだけです。その問題を放置して、TPPだけに反対するのは、本末転倒でしょう。農業を守りたいからTPP反対というのなら、本気で、大規模化-小規模農家保護政策の停止‐を考える必要があります。TPPも反対、大規模化も反対では、日本の農業は座して死を待つだけのところまで、今まさに来ていると、私は思います。

医療は、再三申し上げておりますが、国民皆保険制度は、全く交渉の遡上に載っておりません。今後それが載るという予定もありません。根拠ない危惧、仮定の危惧で国の方向を決めることには、賛成できません。

製薬はおっしゃる通り、TPPとまったく無関係に、大きな問題を抱えています。したがってTPPに参加しなくても、日本の製薬産業はおそらく早晩、世界的競争力を失います。iPS細胞も、現在の臨床治験体制では、TPPとまったく無関係に、臨床応用はアメリカに握られるでしょう。

私が申し上げたいのは、「TPPに参加しなければ、日本の農業、医療、製薬は守られる。」というのは幻想だということです。逆に言うなら、「日本の農業、医療、製薬を守る。」というのなら、「TPP参加反対!」以外の、農業大規模化政策、医療社会保障制度改革、治験体制の拡充を訴えるべきだと、言うことです。

私も安倍ノミクスに反対を訴えていますが(笑)、反対は、代替案がなければ意味がないものです。TPPに反対される方は、TPP体制が出来上がった東南アジアで、そこに参加しなかった日本がどうやって物を売るのか、そのなかで、今まさに危機にある農業、医療、制約をどう立て直すのか、是非ご意見を戦わさせていただければと思います。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2013/03/13 21:56:26

 早速のお返事ありがとうございます。おっしゃるとおり、TPPに反対するだけでは守られないと思います。

 だが同時に、TPPに参加すれば、少なくとも農業は次代を待つ間も与えられずに死ぬことでしょう。これだけでも、十分にTPPに反対する理由になるでしょう。

 国民皆保険については、自民党がわざわざ「例外」の中に組み込もうとしている動きこそが、この問題の本丸であることを示している、というのが政治というものの見方だと小生は思います。だから、TPPの問題を語る中で、国民皆保険を話題にしないことは、小生はあり得ないと考えます。実際、こんな動きもありますしね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130314/plc13031407170005-n1.htm

 

  • Posted by 佐野 鷹男
  • at 2013/03/14 08:26:06

>あえて「小規模農家保護政策」を戦後ほとんど70年にわたって自民党政権が続けてきたから、困難なだけです


認識不足だと思いますよ。
その程度のことで困難なわけではないです。
日本では、特に大稲作地帯(北海道は別かもですが)の大規模農家も工作面積は大きいですが耕作地は殆ど飛び地なので効率的な工作が行えません。
なぜ飛び地化は言わなくてもわかると思いますが、地権者が違うからです。
そして地権者は先祖代々受け継いできた土地だからおいそれとは手放しませんし自分の食べるコメくらい自分の土地でという方々が多く、その部分だけ自作したり、親戚、知り合いから作ってもらったりしています。
そんな事情があるからなかなか効率のいい大規模化というのが困難なわけです。
そういった人たちは殆どコメを商品として販売しませんし、したとしてもごく少量でしかありませんので保護がなくなったからほかの人に・・なんて考えはおきないと思いますよ。
それと親戚、知り合いに委託しているものを大規模化を目指す人たちに委託・・・なんてのも作る人が変わるだけで味も変わりますしいろいろな要因が絡み合っているのでお金だけでは到底解決できません。
平地だけでなく山間地は棚田も多いので、合理化も限度があるというのもありますね。
ただ、時代が変わって親から農地を受け継いだものの自分で作ることなく、耕作放棄地にしてしまっている土地は以前より増えてはいると思います。
そういった部分に関してはある程度は合理化に向けた取り組みでなんとかなるかもしれませんね。




  • Posted by とおりすがり
  • at 2013/03/14 09:26:53

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