ニュースの感想

 続けて同じネタで恐縮ですが、散々マスコミをにぎわせている東京都議会野次問題について、やっとと言うかいまさらと言うか、マスコミによる音声解析の結果が公表されました。

「複数都議がヤジ 議場の音声分析『自分が産んでから』も(http://www.asahi.com/articles/ASG6W5KBQG6WUTIL020.html)」

 複数の人間による、既に特定された鈴木都議の「早く結婚した方がいいんじゃないか。」以上に下品なヤジが聞き取れますし、真偽不明ではありますが、問題とされた野次の発言者と、自民党東京都連幹部の声紋との一致も取りざたされています。

 前回の記事に書いた通りこれらの野次が言語道断なのは言うまでもないのですが、誤解を恐れずに書くなら、とはいえしょせん野次、相手を殴ったわけでも賄賂を授受したわけでもありません。事実関係を認めて謝罪し、二度としなければそれで済むことだと思います。

 私がぞっとするのは、その程度の問題であるにもかかわらず、比較的若輩で、おそらくは組織内で「特攻隊」の役目を任されていた鈴木都議のみが、自らが所属する自民党都連から「スケープゴート」として差し出され、おそらくは自らも野次っていた幹部はだんまりを決め込むのみならず組織を動かしてそれを隠蔽し、にもかかわらず、スケープゴートになった鈴木都議はじめ自民党東京都連の誰一人として、その事実を告発しようとしない、その構造です。
 完全な想像で恐縮ですが、おそらくは鈴木都議は、居並ぶ東京都連のお偉方たちから、「今君が名乗り出てくれれば、君は東京都連のヒーローだよ。君の功績にはきっと報いるから、今は一つ我慢してくれ。」と甘い言葉で説得されたか、若しくは全く逆に、「野次ったのは君だけだ。僕は何も言っていない。君はかしこい人だ、分かっているよね。」と、逆らったら永遠に干されるという無言のプレッシャーをかけられたかのどちらかでしょう。

 鈴木都議のキャッチフレーズは、「ヒーロー、ヒーロー、アキヒーロー」であったと聞きます。おそらく若き日の氏は、青雲の志を胸に、「政治のヒーロー」「都民のヒーロー」となることを夢見て、この道に入られたのでしょう。
 自らの行為の結果とはいえ、氏が人生の過半を費やして得たものが、「都民のヒーロー」ではなく、「自民党東京都連のヒーロー」となったであろうことに、そしておそらくは、氏も氏の周囲の方々もそれが正しいことだと本気で思っているであろうことに(そう思わなければ今のような行動にはならないでしょうから)、怒りよりは哀しみを禁じえません。


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コメント

こういうヤジを平気で飛ばせるのは
自民党だろうと思っていましたが、やっぱり
期待を裏切りませんでした。
やじはざわついてる中とは言え、自民党の人たちが
口をそろえて聴こえなかったとは本当に信じられない人達です。このような人達に知らずに投票している都民はなんと気の毒なというか罪なことか!
昔ながらの政治屋、精神まで汚い政治家がまだいましたねという感じです。国民を裏切るヒドイ集団だと感じます。こういう人たちが野放しにされているのは納得がいきません。暴言を吐いた人たちに処分が下されることを節に願います。

  • Posted by CK
  • at 2014/06/29 15:21:26

お下劣都議のヤジは論外として、
今回は、それに乗っかって喜々として自民叩きをした大手のマスコミが滑稽です。
マヌケなことに、自分たちで担ぎあげた御輿の酷いヨゴレっぷりに自分たちが潰されそうです。
すでにネットではヨゴレの過去の悪行は噴出してますし、大きなブーメランでしたね。
正義のマスコミさんはもうすぐ得意の手のひら返しをはじめるんでしょうけれど、さらにマスコミ不信を招くことになるのかと....。

まぁ、こんなくだらない話題で他党をどうこう言うのはおよしなさい。クズどもと同類に見えますから。

  • Posted by 失笑
  • at 2014/06/30 08:41:17

CKさん、失笑さん、コメントありがとうございます。

本件はあくまで「議会における(ひどい)野次は許されるのか?」「野次自体は現実的に許されるとして、自分で言っておきながら、『言っていない』と言うことは、妥当なことなのか?」と言うことで、発言者の都議がどうと言うことは、全く無関係であると思います。

前記事のコメントでも書きましたが、「議会は正々堂々自らの主張と相手方の主張を戦わせるところ」なのであり、そうである以上、正式な発言者の発言に対しては、極論するなら、その方が犯罪者であろうがテロリストであろうが、議場におられる限り、発言内容をきちんと聞いて、正面から言論で議論・反論するのが筋と言うものです。相手が悪いからどんなヤジも許される、それも自らが野次ったことすら明かさず、集団で隠然とやることすら許されるとする考え方に、私はとうてい同意できません。

犬養首相は、自らに刃を向けたクーデターの兵士に、「話せば分かる。」と諭しました。女性都議の資質をあげつらう以前に、「きちんと話そう」としなかった自民党東京都連各議員の猛省を求めるのは、当然だと私は思います。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2014/06/30 09:22:12

自民党のヤジは「汚いヤジ」、民主党のヤジは「きれいなヤジ」という朝日新聞ばりのダブスタはないでしょうから、こっちもキッチリ批判していってくださいね。
そうでないと、正論言っているようで、実は私怨もしくは野党根性丸出しといわれてしまいますからね(笑)

  • Posted by 失笑
  • at 2014/06/30 10:12:33

失笑さん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、言われた側の資質も、行った側の党派も無関係かとおもいます。鈴木都議、山本都議は残念な野次は出されましたが、申し出て謝罪されたわけですし、それで終わりではないでしょうか。怒られるかもしれませんが、そうはいっても「しょせん野次」ですし。

 スケープゴートを出して隠し立てしたり、無関係な批判を展開して逆切れされたりすると、「なんだかなぁ」と思うということかと思います。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2014/06/30 11:05:24

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