ニュースの感想

一票の格差 ~自らの力で地方の復権を~

  • 米山 隆一
  • at 2013/12/06 20:25:55

 参議院選挙の結果を「違憲状態」とする判決が相次いでくだされ、また、これに対する「南魚沼産だめひかり」さんからの質問がありましたので、併せて私の意見を述べさせていただきます。

 「一票の格差」訴訟について、訴訟を提起される弁護士を批判される意見がありますが、それは正直ナンセンスかと思います。日本では、右の思想も左の思想も真ん中の思想も、それどころか宇宙人の様な思想も、許容されています。誰がどのような思想の下に、どのような訴訟を起こそうが、それが法律で許される範囲なら、文句を言われる筋合いは、基本的にはありません。そして三権分立を定めた日本の憲法上、この様な訴訟は完全に認められており、最高裁が無効と判断すれば、その選挙は明白に無効です(南魚沼産だめひかりさんの質問3に対する回答です)。

 さてその上で「一票の格差が2倍を超える状態を違憲とする」すなわち、「単純な人口比例での定数配分を希求する。」判決についてですが、私はこれに賛成です(南魚沼産だめひかりさんの質問1に対する回答です)。
 これには、「それでは地方が不利になる。」「都会はずるい。」的な意見が見られますが、都会は、別段ずるいことをして都会になっているわけではありません。皆さんのお子さんが、誰に強制されることもなく、自らの意思で都会に住んでいるように、要するに人口の多くの部分が都会に住みたいと思うから都会は都会なのであり、人口の多くの部分がそうは思ってくれないから、地方は地方なのです。
 そして「人によって異なる様々な意見に対して、人数の多い順から優先順位をつけて実行する。」のが民主主義の原則である以上、都会の人口が多ければ、そこに議員定数が多く割り当てられるのはいわば当然のことです。その大原則を否定する合理的理由を見出すことは、困難でしょう。「都会は投票率が低いから議席を配分しなくてよい。」と言う意見もあるのかもしれませんが、投票するしないは個人の自由ですし、そもそも議席が配分されないから投票率が低くなっている可能性もあるわけで、残念ながら合理的理由とはなり難いと思います(南魚沼産だめひかりさんの質問2に対する回答です)。

 勿論私は、この地方で政治を志すものとして、議席を得たら地方の復権に全力で頑張るつもりです。しかしそれは、日本の発展における地方の発展の重要性を正面から掲げて正々堂々と議論し、数の上では多い都会選出の議員を説得して行うべきもので、「地方が都会よりも議員定数が多い。」といういわば「裏技」によって「こっそり」と実現するべきものではないと考えます。

 そもそも現在の一票の格差は、合理的理由によるものではなく、戦後、基本的には人口比例で配分された「議席数」が、その後の人口移動にもかかわらず変更されなかったことによるもので、言ってみれば、単なる「過去の遺産」にすぎません。
 いつまでも「過去の遺産」に頼って自らの既得権を守ろうとするような志の低いことで、地方の復活が成るとは、私は思いません。私は是非、地方から、自らの力で、自らの未来を切り開く志の高い政治を実現したいと思います。


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コメント

今のような細切れの選挙区制度ではなく、県から何人というようにできないもんですか?
全県区にすると金がかかると聞きますが、何にそんなにかかるのかわかりません。

  • Posted by 名無し
  • at 2013/12/07 13:26:04

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