ニュースの感想

消費税増税 ~今こそ真の改革を~

  • 米山 隆一
  • at 2013/10/02 07:51:14

 安倍総理が消費税増税を決断し、これを発表しました。私は、増え続ける社会保障費を賄うために、消費税増税それ自体は、やむを得ないものと思います。

 しかし、消費税増税による増収の2/3、5兆円ものお金を、公共事業中心の従来型の景気対策につぎ込むことには、正面から反対します。

 地方に道路や橋がなかった高度成長時代なら、国民全員から集めた税金で公共事業を行えば、出来上がった道路や橋をみんなで使って、更なる経済成長が見込めたでしょう。しかし、今や地方ほど、道路や橋は余っています。公共事業の恩恵は、それを直接受注する建設業者に限られます。土建が多いといわれる新潟県でさえ、建設業従事者は、全人口の10%にすぎません。消費税によって全国民から集めたお金を、10%の特定業者に集めることを正当化できる理由はありませんし、そうすることで景気が回復するという理由もありません。
 景気対策=公共事業 と言う昭和の夢から、私たちは脱却しなければなりません。

 また、あまり言われないことですが、安倍ノミクスの「デフレ脱却」はすなわち「インフレ到来」です。そしてインフレは、「物価上昇のコストは国民全員が負担し、その利益は投資をする企業が受ける。」と言う性質を持ちます。ここでも、所得は一般の国民から、企業へと移転します。そしてその恩恵は、政府が「特区」や「成長戦略の補助金」で恣意的に決めた一部の企業に、集中的に流れます。

 つまり安倍ノミクスは、徹頭徹尾、「全国民からお金を集めて、(政府が決めた一部の)企業にそれを集中することで、経済成長を果たそう。」とする政策です。
これは、高度成長時代、官僚と自民党が一体となって日本経済を牽引した「傾斜生産」に他なりません。私はそれは、「昭和の夢」にすぎないと、思います。

 国家が恣意的に成長産業を決めることが出来る時代は、過ぎ去りました。バブル崩壊後、アップルの隆盛、Facebookの勃興を予言できた官僚・政治家を私は知りません。政府が企業の成長のためにできることは、適正なルール設定と一体となった規制緩和で、フェアな競争の場を作ることです。

 さらにこれはもう私が落選に落選を重ねて(苦笑)8年間言い続けていることですが、今や、道路や橋よりも、保育所や、病院や、介護施設や年金があった方が、すべての国民が、安心して、子供を育て、親の面倒を見ながら、自らの健康を維持して、老後を心配せずに、全力で働くことが出来ます。
 消費税増税分は、全額社会保障費に使うと同時に、とん挫している税と社会保障の一体改革を進め、消費税を納めた全国民が、医療年金介護の社会保障を安心して受け取れる制度を作るべきです。

 そして成長の果実は、政府が、何の法的根拠もないままに、企業に「賃上げしろ」と強制することによってではなく、残業代の未払いや長時間労働と言う不公正な労働慣行を無くす、「労働市場改革・働くルールの適正化」によって、働く全員に、正当な権利として配分されるべきものです。
 「ブラック企業」と言う昭和根性論の妖怪を放置したまま、如何にも昭和的「行政指導」で企業があげた収益を賃上げに回そうとするのは、非現実的です。

 最後に、「成長」を担うのは、当たり前ですが、人です。最大の成長戦略は、誰が何といおうと、教育です。5兆円の公共事業を行うお金があるのなら、それはなんとしても、世界一の教育を子供たちに与えるためにこそ、使われるべきです。

 「成長」は、「安倍ノミクス」という魔法によって、日銀がお金を刷り政府がお金を使うことによって、何の苦労もなくもたらされるものではありません。成長を担う日本の企業が、それを支える日本の労働者が、日本の労働者を支える日本の社会保障が、そしてそのすべてを担う子供たちが、成長してこそ実現します。

 そのためには、国民に痛みを負担してもらった今こそ、政治が身を切る改革、昭和の夢から脱却し平成の現実に根差した真の改革を、行わなければなりません。
 政府与党に真の改革を期待すると同時に、いつかチャンスが回ってきたときにそれを出来る実力をつけるべく、私自身が成長したいと思います。


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コメント

申し上げにくいのですが文章が長くて頭の悪い者にはわかりにくい気がしますが....私だけでしょうか?なるべく要約して、簡潔にお願いできれば....読んでいるうちに疲れてくるのです。済みません頭が悪くて。

  • Posted by ひまわり
  • at 2013/10/02 18:54:29

>公共事業の恩恵は、それを直接受注する建設業者に限られます。

もう少し勉強してから書き込んだほうがいいのではないですか?

  • Posted by とおりすがり(元)
  • at 2013/10/03 17:36:11

ひまわりさん、コメントありがとうございます。申し訳ありません、修行します(笑)。

(元)通りすがりさん、コメントありがとうございます。
勿論勉強はさせていただきますが、言いたいことは、公共事業の乗数効果が、他の産業に比べて高いという理論的根拠は全くなく、かつ説得的な実証的研究もないということです。ケインズ理論的には、医療に使おうが教育に使おうが公共事業に使おうが乗数効果は同じはずですが、なぜか非常に多くの人が、「公共事業に使うときだけ、乗数効果が特に高い。」と思っておられるのは、不可解です。この点をくどくど述べるのもなんですので、端的に「共事業の恩恵は、それを直接受注する建設業者に限られます。」と表現させていただきました。

 長く書くと分かりにくくなり、短く象徴的に書くと誤解が生じる、難しいものです。いずれにせよ修行します(笑)。

  • Posted by 米山隆一
  • at 2013/10/03 19:16:03

コメントを書くのは控えていたところですが・・・。

このブログで、以前にも同じような米山さんの記事を拝見したと思います。

今回の米山さんの「地方に道路や橋がなかった高度成長時代なら、国民全員から集めた税金で公共事業を行えば、出来上がった道路や橋をみんなで使って、更なる経済成長が見込めたでしょう。」という書き出しは、乗数効果ではなく、経済波及効果を捉えた書き方のように思えます。

書き出しがそうであるにもかかわらず、その続きを「公共事業の恩恵は、それを直接受注する建設業者に限られます。」というところに持って行っています。

それが、とおりすがり(元)さんのコメントにつながり、さらに言えば、そうしたことも、ひまわりさんの「分かりにくい」という感想に係わっているのではないでしょうか?。

文章が長いとか・短いということではないように思えます。

経済波及効果の算出は主観的な部分が少なくないのかもしれませんが、例えば子ども手当と公共事業では後者の方が大きいと思うのですが、いかがでしょうか・・・。

  • Posted by 阿部伸一
  • at 2013/10/03 23:55:58

お返事ありがとうございます。
余計なお世話に感じると思いますが、
政治家にとって自分の意思を思う通りに伝えられないというのは致命傷だと思います。(お宅のボスもそうですが)
TVを見ればわかりますが今のマスコミの仕事レベルは真実報道よりも揚げ足取り、失言待ちが主流です。
次の選挙までの修行の成果を期待しています。

  • Posted by とおりすがり(元)
  • at 2013/10/04 07:55:41

 私も頭は良くありませんが隆一さんのお考えを理解できますし、大して長文でも無いと思います。
①消費増税必要→その通り。但し日本では10%程度が妥当だと思います。
 先月、オランダ(消費税率19%食料品6%)国王が財政難を理由に「福祉国家やめます宣言」を発表致しました。日本のリベラル

系議員を中心に、欧州の福祉国家を目指すべきとの考えが近年横行しておりましたが、何をか言わんやの状況です。
 個人的には福祉は「金が無くて餓死したり病気で死んだりしない程度」に留めるべきだと考えます。そうしないと勤労意欲の

維持に支障が出ます。

②公共事業投資反対→その通り。
 昭和の後半に公共事業の果たした役割が大きかった事は事実です。それは時流に乗ったからです。これからはそれらのインフ

ラ改修・補修に否が応でも予算が必要になります。経済効果とは別に固定費として考えるべきです。
 昔、通産省のお役人の講演を聞いた時に、土建業者にお金を落とすと、宵越しの銭は持たない主義の彼らが繁華街のホステス

に注ぎ込み、その金が服飾や宝飾品・外食産業等に簡単に回るので即効性の経済効果が期待できると言っていました。それは、

その頃は使ってもまた稼げたからです。長寿かつ将来が不安な今の世の中なら確実に貯蓄に回るでしょう。単純な話です。

③デフレ脱却はインフレ到来→その通り。
 最近話題のNISAに政治家や官僚の考えの端緒を見る事ができます。政府が率先して国民に「金転がし」を奨励するのだからど

うしようもありません。バブルの反省全く無し!
 今の日本経済の問題は、医療技術の発達で長生きする事が確実なお年寄りが将来の生活費の確保に不安を募らせ、生活資金を

タンス預金等で1,500兆円も抱え込んでいながら年金に縋って生きている事に有るのです。ですから、金が若者世代に回らず、企

業の内部留保ばかりが増え、彼らの雇用の機会や労働に対する正当な対価が支払われない社会になっているのです。
 私は親から「人は死ぬまで働くものだ」と教わりました。今のお年寄りも、老骨に鞭を打ってまでとは言いませんが、働ける

健康な方は勤労の義務を果たし自助努力をすべきです。政治家はお年寄りのタンス預金が教育費等で孫世代に確実に流れる様な

施策を打たなければなりません。子育て世代に回しても預金に回りますから、直接孫世代でなければなりません。

 かつて所得倍増計画の原案を策定した下村先生は赤字国債の発行を厳しく処断致しましたが、三木内閣以降は財政法を拡大解

釈し、建設国債の名の下に赤字国債を垂れ流し続け、概ね40年になろうとしています。憲法解釈にしろ派遣業法にしろ何にしろ

、全て時の政権のご都合主義により拡大解釈された結果として今の日本の現状があります。政治家は国家100年の計に従って政策

を打たなければなりませんが、この40年間はそんな政治家が誰もいなかったと言う事です。この間の政治家(主に自民党の)は、

安定した高い投票率の見込めるお年寄りと上意下達の組織票が見込める財界の言う事だけを聞いてきて、その結果が現状です。

④教育費に税金を!→その通り。
 国家百年の計は教育にあり!今、世界で絶賛される日本人らしさに磨きをかける必要があります。「もったいない」「足るを

知る」「おもてなし」等々の精神が完成を見る江戸後期化政文化の頃の完全リサイクル社会に学ぶべきです。江戸時代に戻れと

言っている訳ではありません。学ぶのです。朱子学・陽明学に思いを致し、論語に基づく儒教道徳を身につける事は世界に誇れ

る日本人造りには欠かせません。文明開化に酔い痴れる明治の国民を憂い、教育ニ関スル勅語を発せられた明治天皇の思いにも

心を致す必要があります。各地の特色ある寺子屋教育が普及する事を望みます。

⑤地方分権と地域活性化
 維新の会の橋下共同代表は個人的には好みませんが、地方分権や慰安婦問題に関して間違った事は言っていないと思います。

間違った時には謝罪して訂正していますから。ハハハ。ただ少し言葉が過ぎるようですが…。
 地方分権についてですが、掛け声一つで一億総中流を目指し、統計的品質管理手法で70点80点の製品を大量生産・大量販売・

大量廃棄する時代はとっくに終わっています。今、世界が日本に求めているのは、日本ならではの芸術的なまでに高められた高

品質で特徴ある製品、持っていてステータスを感じる様な付加価値の高い製品です。工業製品のみならず、第一次産品も日本製

は高い品質を誇ります。京野菜をパリでPRしたら大絶賛だった様ですし、青森の一個3,000円のリンゴが中国で飛ぶ様に売れてい

ます。
 日本は今後、全国横並びではなく、各地の特長を生かした高付加価値追求社会を目指さなければなりません。その為には産業

構造のみならず、社会システム自体も規制緩和の観点から各地の独自性が必要不可欠です。親方日の丸一本ではなく、分権しな

いと日本は立ち行かなくなるでしょう。
 最近、地域活性化活動が各地で展開されていますが、同じ様な活動を別々のNPO法人が行っていたりして統一性がなく、ベクト

ルが合わない事から盛り上がりに欠け、大変非効率です。この辺りが整備されれば分権の必要性が認識される雰囲気が醸成され

るのではないかと思います。
 米山隆一さんには上記の観点から、地方で元気に活動され、地元を活性化してマスコミに大いに取り上げられる様になってか

ら国政に進出しても良かったのでは?と、個人的には考えておりました。故に昨年末の魚沼市長選には立って欲しかったです。

案外、急がば廻れ!かも知れませんよ。

⑥行財政改革の断行
 是非とも早急に断行しなければなりません。先達に学び、背中から刺されたり切腹覚悟で取り組むべき、今の政治家の最重要

課題です。リフレ政策については、どこかの宗教政党が昨年「平成のニューディール」とか言って無知を曝け出しておりました

が、今ではマスコミにも無視されているようです。昭和の世界恐慌からはケインズよりもルーズベルトよりも先駆けて高橋是清

が世界最速で脱出しております。かの有名なニューディールは、その二番煎じでしか有りません。日本人は自国の優秀な先達に

もっと敬意を表して欲しいものです。全く何時まで西洋舶来崇拝主義なのでしょうか?話が反れまして申し訳ありません。
 行政改革は田中玄宰、山田方谷、河井継之助等の藩政改革を参考に実行すれば、痛みは伴いますが必ず実施できます。有名な

上杉鷹山は改革に半世紀も要していますし、家老の不正問題等でケチが付いておりますので参考には…?
 先達の方々がやった事は全て共通しておりまして、要するに金融政策と規制緩和と殖産興業です。つまりやる事は決まってい

るのです。あとは政治家の暗殺や切腹に対する覚悟だけです。名を残すか命を残すか。さてさて…。

 昭和根性論どころか江戸・明治根性論で申し訳ありませんでした…。国政と魚沼市政を憂いている近所の中年より

  • Posted by 岐阜から来た七日市のヨソ者
  • at 2013/10/05 23:20:57

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