ニュースの感想

これが汚染水「抜本対策」ですか?

  • 米山 隆一
  • at 2013/9/03 13:03:06

 安倍総理が、福島汚染水漏れ対策に、国費470億円を投入することを柱とする、方針を固めたと報道されています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00000023-mai-pol

 しかし一方で報道は、

「なし崩し的な費用負担の拡大は「東電救済」との批判を浴びかねない。このため、国費投入は緊急性が高く、技術的に困難な事業に限る方針」

とも伝えています。
 私はこれこそ、緊急対策では最も避けるべき、「戦力の逐次投入」になってしまう危険が極めて高いことを、危惧します。

 政府の誰一人明言していませんが、汚染水は、どう考えても、一定レベルまで浄化したのち、「海に放出」する以外の「抜本的対策」はあり得ません。政府がALPSの性能向上に150億円もの国費を投じるのも、要するに、皆黙っているけれど、本当のところそれは分かっているということです。

 物事を実現する戦略は、ほとんどの場合、着地点を明示し、そこに向けた工程を作成することで成立します。そしてその全過程を、批判は覚悟で責任を持って実行するリーダーがいてこそ、目的は実現します。
 汚染水問題を国が本当に「抜本的に解決」する気があるのなら、着地点を示し、そこに至る工程を作成し、責任あるリーダーを定めてこれを実行することが、絶対の必須条件だと思うのですが、残念ながら今回発表された「総合対策」から読み取れるのは、批判を恐れて、実際は不可避な着地点をぼかし、それゆえに明確な工程表をつくれぬまま、結局のところ最終的な責任が東電にあるのか国にあるのかを明確にせず、漫然と巨額の国費を投入する姿勢にすぎないように、私には見えます。

 如何に大地を凍らせても、地球の裏まで凍らせるわけにはいきません。漏れ出た水は、下へ下へと浸透して、やがて地下水に至るでしょう。どれほど高性能のALPSを開発しても、開発に時間を要すれば、その間蓄積し、さらには地面に漏れ出た汚染水を処理することは不可能になってしまいます。
 私はもちろんこの分野に関しては素人ですが、今なすべきは、そういった弥縫策ではなく、

① 覚悟を決めて浄化→海洋放出の方針を定め、これを国民と世界に説得する。
② 可能な限り速やかに放出をはじめ(現時点で稼働可能なAPLSは存在すると聞いています)、これによって空きが出た、「漏れていないタンク」に汚染水を集約し、さらなる汚染水漏れを防ぐ。
③ 政府発表の「凍土壁の建設」「高性能ALPSの開発」は、①②を進行させながらその補強として進める。もちろん、新たな「頑丈なタンク」も建設する。

ことではないかと、思います。

 繰り返し、私はこの分野の専門家ではありません。上記の思い付きのアイディアを正しいというつもりは毛頭ありません。
 しかし、これも繰り返し、着地点と工程表と最終責任者を定めない「総合対策」が物事を解決できることなど滅多になく、多くの場合、本来責任を取るべき人たちの単なるアリバイ作りに終わることは、少ない人生経験の中で学んでいます。

 汚染水対策について、アリバイ作りをしている余裕も、「総合対策」を立てては失敗し、失敗しては立ての「戦力の逐次投入」を繰り返す余裕も、日本にはありません。ぜひ安倍総理には、着地点と工程表と最終責任者(ご自身でしょう)を明示した、本当の「抜本的総合対策」を作成・実行していただきたいと思います。


  • コメント (0)
  • トラックバック (0)
トラックバックURL :
http://www.election.ne.jp/tb.cgi/96166

エレログTOP | エレログとは | 運営会社 | 免責および著作権について | お知らせ

政治家ブログ”エレログ”地方議員版ができました。参加お申し込みはこちらから

政治家専門サイト ele-log 国政版 お申し込み 政治家専門サイト ele-log 地方版 お申し込み
国会議員、都道府県知事、市区町村長、都道府県議、市区町村議、および立候補予定者専用

Copyright by Promote committee of Online-Election.,2001-2007, all rights reserved.
ele-log and the ele-log logo are registered trademarks of
Promote committee of Online-Election