活動報告

憲法改正

  • 米山 隆一
  • at 2013/2/18 03:18:46

 雪かきで筋肉痛さん、維新の会 党員Tさん、長岡市民さんから憲法についてのコメントをいただきましたので、独立した記事として私の憲法観を述べさせていただきます。

 まず、ちょっと報道が先行していますが、私はまだ参議院候補の公募に応募すると表明しただけで参議院の候補には決まっていません(そう希望していますが、そうなるかどうかは党次第という状況です)。

 この状況とは独立に、私は一貫して「党の方針と、私(候補者)個人の意見が食い違うことはありうる。その場合私は、公の議論の場できちんと自分の意見を述べ、党を説得するよう努める。説得の結果党の意見が変わってくれれば勿論それで良いが、そうならず、党の民主的手続きで自分の意見と違う方針が決まったら、それに従う。」というスタンスですので、長岡市民さんのお気遣いはありがたいのですが、上記の立場に立って、私の憲法観を述べさせていただこうと思います。

 私も憲法改正は賛成です。皆さんのご指摘と重なりますが、「第3章 人権」で現代的人権を規定すること、「第4章 国会」の衆議院の優越規定を強化すること(最終的には参議院を廃止すること)、「第5章 内閣」で内閣の権限を強化すること(内閣総理大臣の自衛隊の指揮権、首相公選制を含む)、「政党」の章を設けること、「第8章 地方自治」で道州制を含めた地方自治の在り方を規定すること、「第9章 改正」で改正要件を緩和すること等々、時代に即して今まさに改めるべきところを、改めるべきだと思います。

 一方で、話題の9条については、雪かきで筋肉痛さんの意見と一部重なりますが、とうの昔に解釈で対処されてしまっているところですので、改正は不要だと思います。集団的自衛権については、政府の解釈を変えれば十分対応可能です。自衛隊の存在それ自体、及び自衛隊の指揮権等必要な部分は明文で規定すべきものと思いますが、その名称に関しては、「国防軍」とする必要性は感じません。自衛隊は英語では Self-Defending Army で、日本人を含め既に世界のほとんどの人が、「軍隊」と認識しています。「国防軍」(National Defending Army と表記することになるのでしょうか)としたからと言って自衛隊が強くなるわけでもない以上、敢えて実益のない騒動を巻き起こす必要はないものと思います。

 維新の会 党員Tさんには恐縮ですが、国体に関し、第1章「天皇」を改めて天皇を元首とする必要は、私は感じません。天皇の英語表記はJapanese Emperorで、海外から見たらとうの昔に「元首」です。ここでもわざわざ天皇を「元首」として無用な騒動を巻き起こす実益は少ないものと思います。
 また、そういった形式論とは別に、実質論としても、「天皇はあくまでシンボルで、政治の実権を持たないものだ」という現在の規定は、歴史的に見てもよほど日本人の感覚にそぐい、本当の意味で「国体」といえるものであると思います。(天皇が言葉通り「元首」であったのは大和朝廷成立から奈良時代までの日本史の中ではむしろ短い時期にすぎず、平安中期以降実質的権限は持っていなかったのであり、Global Standard的な「元首」像は日本人の感覚にも歴史的事実にもそぐわないというのが本当のところではないでしょうか)。
 「国民主権」の大前提との整合性からも私は、主権はあくまで国民にあり、天皇はその国民統合のシンボルであるという現在の憲法の枠組みを維持すべきものと考えます。

 尚憲法改正論議で意外に語られないことですが、「前文」を改正するなら、この前文をいったい誰が、どう書くかという問題があります。一時期憲法を必死で勉強したものとして、翻訳調でこなれないとはいえ、私は、
 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
 「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」
 という憲法前文の理想主義が好きです。前文を書き換えるなら、これに匹敵する文章を書ける、かつ「あの人が書いたものなら」と、国民の大多数が納得できる人を選ばなければいけません。それはそう簡単ではないでしょう。

 以上をまとめると私は憲法改正について、

① 第9章 改正条項を緩和する。
② 第3章 人権、第4章 国会、第5章 内閣、第8章 地方自治を現在の実情に合わせて改正し、政党及び自衛隊の規定を入れる。
③ 前文、第1章 天皇、第9条は温存する。

 という意見です。

 憲法に関しては、様々な方の色々な思いがあると思います。②の部分で実際の司法・政治に支障をきたしている部分もあり、あまりのんびりすることもできないのですが、一方で当面の問題については、法律家が寄ってたかってつぎはぎの解釈で対応して、何とかなっている部分もあります。
 憲法はそれこそ「日本国民統合の象徴」ですから、5年10年かけて、きちんと議論をして、なるべく多くの国民が納得できる形で改正すべきものと私は思います。


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コメント

米山さんの憲法観というのは維新の会の綱領と大筋違いはなさそうですね。オリジナルの政党の章を新たに設けるというのは全力で支持します。

そんなわけで、
維新政治塾テキスト・維新八策(案)から8策目抜粋
8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~
• 憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に
• 首相公選制(再掲)
• 首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本 的改革
•衆議院の優位性の強化(再掲)
• 地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲 法94条の改正
• 憲法9条を変えるか否かの国民投票

憲法改正発議権の緩和をまずトップにもってきている時点で、維新の会は96条をなんとか変えたい意思を感じます。それは安部さんが強く主張している点に合致します。
今後の連立の可能性を見据えて差し込んだんですかね?

以下、他国の改正手続きです。一部ではありますが、
アメリカ:両院の2/3で発議→憲法会議→全州の議会の3/4の賛成で成立
フランス:両議員の過半数で可決→両院合同会議3/5、及び国民投票の過半数の賛成で成立
ドイツ:両院からなる憲法裁判所にて2/3の賛成で成立
ロシア:上院3/4、下院2/3の承認→連邦構成体議の2/3の賛成で成立
ベルギー:憲法改正宣言→両議員解散→両議員2/3で発議可能
フィンランド:一院制で過半数→解散→2/3の賛成で成立
オランダ:下院の過半数で議決→解散→両院の2/3の賛成で成立
韓国:大統領が発議→一院制で2/3の議決→国民投票の過半数の賛成で成立
となっています。
決して日本だけが際立って厳しい改正要件の手続きにあるのではないのです。

山本七平ではないですが、これまでの日本は空気を読んで憲法問題の棚上げにしていただけであり、いまさら96条のせいにするのは如何なものかと思います。
それでもM主党みたいな政党が今後も政権を取らないと断言できるなら96条の発議要件を緩和しても構いませんが。。。
日本の国体がボロボロになってしまいますよ?

私も米山さんと同様、民主主義にとって最も大事なのは手続きだと思っています。国民から自由権の一部を取り上げるわけですから、立法府は正当性に根拠がなければなりません。だから選挙は公正に行われなければならないんです。96条も同じです。国の形を決める憲法の改正発議の要件を緩和するのは正当性の根拠が薄くなる気がしているのです。



まだ鼻垂れでウ○コが大好きだったガキの頃、たまたま見た夕方のニュース…新潟のローカル放送限定だったかもしれませんが、かつて、米山さんが初の衆議院選挙に挑むときに小学校の同窓会兼激励会みたいなのをやっていました。そこで元クラスメイトが「こいつは昔から総理大臣になるって言ってたんだよ」と語り、米山さんはちょっと照れ臭そうにしていた表情が記憶にあります。その頃から私は米山さんのファンなのかもしれません。

参議院選挙の時には住民票が魚沼になっていますので、次こそは初じめて米山さんに一票を投じることができます。まあ高校時代に握手はしてもらったんですけど…すいません、あの頃は都市伝説で「米山さんと握手すると頭が良くなる」というのがあって…選挙権がなかったくせにすいませんでした。

ちなみに4月からは無職です。暫くド田舎に引きこもって留学の準備をするつもりです。東京に6年住んでたから順応できるかな〜。ヒマなせいで長々と書いてすいませんでした。次は必ず投票しますから許してください。

  • Posted by 雪かきで筋肉痛
  • at 2013/02/18 20:42:42

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