活動報告

世襲について

  • 米山 隆一
  • at 2009/10/09 06:21:26

 先の記事「The Logic of Japanese Politics ~10年前の警告~(http://www.election.ne.jp/10840/80341.html)」に、「1004の月」さんからコメントがありました。コメントに対するレスポンスを、新たな記事としてアップさせていただきます。

「1004の月」さん、コメント有り難うございます。

 「2世、3世の理由無き優遇」今なお現在形で続く自民党の旧弊です・・・。僕のような1世が言うと、ある種の嫉妬ととられるかもしれませんが、しかしそれがトレーニングと資質の足りない人物を何代にもわたってリーダーとして祭り上げる原因となってしまったという事実を直視しないと、自民党は何度でも同じ失敗を繰り返すでしょう。今回の選挙結果を受けて矢張りGerald Curtis 氏が書いたコメントの言を借りるなら、

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「(中選挙区時代は)実力のない二世議員が議席を守るのも、今よりずっと難しかった。二世候補は、父親の知名度や後援会の力で一度や二度は当選できたかもしれないが、実力がなければ、同じ選挙区に候補を出していない派閥が、勢力拡大のチャンスと見て新人候補を擁立し、世襲議員の議席を狙ったのである。」

「小選挙区制の導入で党内競争が無くなると、実力だけでなく、政治家としての志さえないことも多い二世議員が議席を守るようになった。アメリカをはじめ他の国にも世襲議員はいるが、日本が特殊なのは、自分の意思ではなく、親の意思で政界に入った二世があまりにも多いことだ。日本は政治に情熱のない政治家が多すぎる。」

「党内競争が無くなると、自民党代議士に気の緩みが目立つようになった。知名度も組織力も資金力もない民主党候補をみて、自分は負けるはずがないと高をくくるようになったのだ。中選挙区制の廃止で党内競争が無くなり、緊張感も薄れた。2009年、自民党は緊張感のないままパニックになったのである。」

(Gerald Curtis 著 「代議士の誕生」前文より)
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となるでしょうか。特に最後の一節は、正直に言って自民党内部で今回に起こっていたことを正に適格に言い当てていて、耳が痛い限りです。

 私自身が今取り組むべき事は、他人の批判でも党の批評でもなく、自らの情熱を問い直し、自らの実力を磨くことで有ることは言うまでもないことですが・・・。

 これから、中川元財務相のご葬儀に出席して参ります。故人のご冥福を、改めて祈ります。


p.s. 有り難いことに我が新潟五区(長岡、小千谷、南北魚沼地方)では、台風は直撃しませんでしたし、殆どの方が稲刈りを終えていたこともあって、大きな被害は無かったようです。ただ果樹その他を含め、本当はどの程度の被害だったのかが分かるのには、しばらく待たなければならないと思います。
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コメント

米山先生こんばんは。ニュースで見ましたが、谷垣総裁は政権奪還に向けて党再生の方策を議論する総裁直属の「政権構想会議」を設けるそうですね。

以前米山先生が書かれていました「『新鋭』対『旧来』の戦いを『新鋭A』対『新鋭B』の戦いに持って行く、それが出来るか否かに、自民党再生の可否がかかっている」というご見解に私も大賛成です。

たとえれば、村に昔ながらの商店が一店しかなく多くが不便を感じていたところに今風の行き届いたスーパーマーケットができたようなものだと思います。品揃えも豊富。店員の態度もいい。老若男女が買い物を楽しめる。みんな新しい店に流れるのは当たり前です。そうなったら古い店も対抗して似た感じで新装開店するのがお客を取り戻すのに一番現実的だと思います。なんというか、イトーヨーカドーに西友にジャスコ・・・、みな同じような商品を売ってはいますが、なんとなくそれぞれ個性ありますよね。あんな感じで(笑)。

もちろん守るべき良きものはこれまでどおり断固守って違いを出すべきですが、民意を無視していた、また自民党が先んじて改革すべきだったのに怠っていたと反省に立ったものに関しては、臆面もないくらい豹変して、たとえ民主党と同じベクトルであってもためらわず、さらにその先を行くような改革案を示し、実行すべきだと思います。

ただ積極的に改革するような人材がずいぶん抜けてしまったので、何をするにせよ推進力不足に陥っているようです・・・。それを補う数少ない方法のひとつは、米山先生のような意欲はあってしがらみのない新人や地方議員の方の意見に真摯に耳を傾けて大胆に取り入れることだと思います。

ぜひ機会がありましたら「政権構想会議」に米山先生が日ごろ考えていることを訴えてみられることを期待いたします。

  • Posted by 新潟港で魚釣り
  • at 2009/10/09 23:16:57

>これから、中川元財務相のご葬儀に出席して参ります。故人のご冥福を、改めて祈ります。

電脳世界の片隅でひっそりと行われた献杯の様子を紹介する。

2009年10月05日(にゅーそくちゃん!)
中川昭一さんを乾杯して送り出さないか?
http://blog.livedoor.jp/caladbolg2/archives/51245575.html

彼の笑顔はもう二度と見られない。


…誰でも良いから嘘だと言ってくれ。

  • Posted by 石器
  • at 2009/10/10 10:00:34

自民党で最も政治に情熱を傾けていたのは、真の保守再生を目指して活動されていた方々であり、その代表格である中川元財務相が亡くなられたのは非常に残念です。

私は民主党に対抗し得る新鋭は、徹底したリアリズムに基づいて、失われた価値観を取り戻す、この「真保守再生」と言う理念にあると思っています。

労働組合をバックに労働者vs企業という対立の構図を煽る民主党のwin-lose指向の再分配型経済政策ではなく、日本経済自体を底上げすることで生活改善を目指すwin-win指向の経済成長戦略政策。
実力の伴わないバランサー外交、八方美人の友愛外交ではなく、背の丈に見合った中で同志と切磋琢磨して国際社会で存在価値を高める価値観外交の継続。
「排除の論理」によるアメリカ外しではなく、半世紀にわたる同盟国としての日米関係強化と役割の見直し。
低年齢層非行が問題となる中での、今までの教師の権利と児童・生徒の自由・平等を重視した教育ではなく、社会に出るべき者としての礼節と規律、道徳を身につけるための教育再生。

こうした保守政党、自民党らしい明日への処方箋こそが目指すべき新鋭のあり方だと思います。

看板の付け替え、組織改革は中身が伴って当たり前、少しでも従来路線の色が残ると「改革後退」のレッテルを貼られてマイナス評価を受けかねません。
現に「影の内閣」構想が頓挫した谷垣総裁に対して指導力不足との評価をしているメディアもあります。
今回選挙で自民党が最終的に「旧来」のレッテルを貼られたのは「麻生おろし」に見られる党内分裂が、権力に執着する者の内ゲバとしか見られなかったということであって、決して政務調査会や総務会が古臭いと思われたわけではないということを考えていただきたいと思います。

私は以前、河野太郎さんに厳しく苦言を呈しましたが、彼の選挙の総括の中での「綱領も今までの党内議論も全て無視して選挙のためだけのマニフェストを掲げてしまったのが有権者に理解されなかった」と言う分析は大きく評価できると思っています。
是非とも新生自民党には大いに情熱を傾けて議論をしてもらい、党の総意として保守政党らしい明日へ向けての日本のビジョンを提示してもらいたいと思います。
そして米山先生には中川元財務相の遺志を継いで、日本の再生のために情熱を傾けていただきたいと思います。

  • Posted by しげ
  • at 2009/10/10 15:16:41

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