通常国会閉会を間近に控えた今月8日の朝、久しぶりに自民党の「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」を開きました。私たちが政権を離れて以降の法科大学院を中心とする法曹養成の仕組みと年間3000人を目指す法曹人口増員計画の実状を役所(法務省、文部科学省、最高裁判所)から聞き取り、議論をするためです。議員本人の出席は、議連会長の高村正彦・元法務大臣、顧問の鳩山邦夫・元法務大臣、事務局次長の柴山昌彦衆議院議員や古川俊治参議院議員らでした。
結論から言えば、事態は心配していた通り、悪化の一途をたどっていることがわかりました。最高裁事務総局は平成21年度の司法修習生考試において新司法試験受験組の不合格率が下がったことについて、「数字上はわずかに減ったが、答案の出来具合から判断して、学生の教育水準が上がったとはまったく考えられない」と説明しました。次に法務省の説明を聞いて私がもっとも驚いたのは、今年の新司法試験短答式の合格率が前年よりも増えたのに引き換え、旧試験の短答式合格者数が異常に減らされたことです。平成18年の80.5%以降昨年の68.4%まで新試験の合格率は一貫して下がってきました。それが、法科大学院における教育の質が劇的に向上したという話はまったく聞かないにもかかわらず、今年は急に70.7%と跳ね上がったのです。一方で、旧試験合格者数は受験者数が対前年度比で13.1%減であったにもかかわらず、53.6%も減らされました。21年度が前年比0.4%減であったこととあまりにも違いがありすぎる結果です。私が担当者に「過去数年間の推移を見ると、新試験合格率の一転した増加と旧試験合格者数の激減は不自然である。受験者集団の“質”がわずか一年でこれほど上下するはずがない。根拠を示してほしい」と質しましたが、答えは返ってきませんでした。来年から始まる予備試験の門を狭くするようにと法科大学院関係者から頼まれている当局が、予備試験の予行演習として、新試験に甘く、旧試験に厳しく意図的な合否判定を行ったのでは、という疑惑を私は感じました。この点については、出席した他の議員からも「あまりにも極端で、あからさまな判定だ」「法科大学院を存続させるため、予備試験潰しの前触れではないか」といった意見が出されました。
さらに、「新たな法曹養成制度の問題点・論点を検証し、これに対する改善方策の選択肢を整理するため・・・」(設置についての説明書きより)と称して、本年2月5日に法務省の加藤公一副大臣と文部科学省の鈴木寛副大臣が設置した「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム(以下、WT)」の活動についての説明を受けました。そこで私は、このWTの委員名簿に決して見てはいけない人物の名を発見したのです。なんと、法科大学院制度の産みの親である井上正仁氏が法曹三者等委員としてWTに入っているではありませんか。私は椅子から転げ落ちるほどの驚きを覚えました。「法曹養成に大混乱をもたらしたA級戦犯」(ある現役の法科大学院教官)と指摘されている井上正仁氏がいったいどのような理由づけのもと、法科大学院制度の問題点を議論する会議体に中核の委員として加わったのでしょうか。「ああ、このWTは役所と学者の失敗を覆い隠す茶番以外のなにものでもないな」、誰もがそう考える人選です。今後何度ヒアリングを積み重ねようとも、何度現地視察に行こうとも、制度を作り上げた当事者が中核の委員でいる限り、このWTが出す結論は容易に想像がつきます。
昨年夏の総選挙マニフェストで民主党は国民にこう約束しました。「税金は、官僚と一部政治家のものではありません。国民の税金を、国民の手に取り戻します。」(『5つの約束 1.ムダづかい』より) ところが政権交代から九ヶ月の間、民主党出身の両省政務三役はいったい何をやってきたのでしょうか。税金を大量にムダづかいしている法曹養成と法曹人口増員の政策について、私たちが与党時代に指摘した問題点と向き合おうとすらしない。それどころか、政策の失敗を認めようとしない現場感覚に欠ける役人と、自分の勝手な夢を学生たちの大切な人生に押し付ける学者を見直しチームに招き入れるありさま。破綻した仕組みを見直すつもりがまったくないことを自白しているようなものです。政治主導の名が聞いて呆れます。
「学力よりも学歴によって法曹資格を与える法科大学院を中心とする仕組みは実にけしからん」、「司法試験の前段階に法科大学院を置けば、必ず予備校化するに決まりきっている」。議連で出された鋭い意見に対して、果たしていまの政務三役は真正面から応えることができますか。「法科大学院のために法曹養成制度があるのではない」という議連でしばしば出される問題意識を彼らは果たして共有しているのでしょうか。
「われわれが政権にいたときに、多様な人材が受けられるように、予備試験を簡易化・簡素化しようと法務省と話し合ってきた過程を事務方は知っているでしょ。その過程を踏まえて、いまあなたたちは制度設計にあたっているのですか」と高村会長が何度確認しても答弁できない法務省職員の姿を見て、私は政権交代の代償の大きさを実感しました。お金はないけれども、法曹になって社会に貢献したいという志を抱いている多くの若者の夢を潰すあらゆる敵に対して、私はこれからも戦いを挑んでいきます。
なお私は、4月16日と5月21日の衆議院法務委員会において、法曹養成と法曹人口問題について質問に立ちました。以下の手順で議事録をご覧になれます。「衆議院トップぺージ」→「立法情報 会議録」→「法務委員会」→「日付」です。ご意見などがありましたらお寄せください。
政権交代して法曹問題への取り組みが大きく後退しました。
私は民主党政権の実態がここに象徴されていると感じています。
法曹問題は世間の注目があまり集まらない一方で、実はあらゆる面で大きな問題点をはらんでいます。それ故に、法曹問題への取り組み姿勢は①利権排除②無駄排除③政治主導④国民本位の政治が本当にできる政党なのか、パフォーマンスだけなのかを測る真のものさしだと言えるのではないでしょうか。
今年の旧試験短答はひどかったです。憲法は相変わらずのパズル形式の難問、奇問、民法は信じられないほど細かな知識を問う超難問で試験後は受験生の悲鳴がネット上で溢れていました。単なる資格試験なのに何でこんなに難しくさせるのでしょう。一方、新司法試験の短答は、いつもながらの「拍子抜け」するほどの易しさです。露骨な差別です。
法務省が発表した予備試験サンプル問題については難し過ぎると非難轟々です。しかし、法科大学院に行かなくていいことを考えれば致し方ないかなという気もします。問題は、最初に「人数ありき」にしてしまうのではないかということです。法科大学院卒レベルの判定ではなく、例えば最大50人とか100人とかに合格者を絞ることで予備ルートを骨抜きにさせるのではないかと危惧しています。法科大学院に巣くう利権集団を徹底的に叩きつぶしてください。
今年の旧試験の短答合格者数が50%以上も一気に減らされた理由は簡単です。
昨年は問題が比較的易しかったので合格人数を絞りたくても絞れなかったからです。
つまり、昨年度予定していた合格人数(1000人前後?)にしてしまうと合格点が48点(8割)を超えてしまうので(ちなみに50点までに1102人、49点までに1364人いました)、各方面から批判が出ることを危惧した当局としては合格点を48点にせざるを得なかったわけです。
今年はそのしわ寄せで問題を難しくした上で気兼ねなく一気に減らしたということでしょう。
前から気になっていることがあります。
司法改革による弁護士増員推進派の意見は、二つの相容れない全く異なる理由によって、構成されているのではないかということです。
一つは、経済界からの市場原理主義的発想。
もう一つは、弁護士旧執行部からの国選拡大、司法過疎解消等ボランティア的活動への人材の投入。
前者は、現実主義、後者は、理想主義に基づくものですが、よくよく考えると、なんかおかしいんです。
前者は、競争により弁護士費用を抑えること、そして競争により淘汰されることもやむなしと考えており、後者は、収益を考えない慈善活動に美徳を見いだす発想なんですが、
前者を重視して、コストをカットしていけば、慈善活動をやる余裕はなくなることは自明であり、前者は、弁護士を一種の事業者と見て慈善活動のことなど一切考えていません。国家の司法予算を増やせという発想でもないようです。
また、コストの原因となる弁護士会の強制加入も廃止の方向に行くのが筋だと思います。
他方、後者は、コストとなろうとも慈善活動をやるべきであるとするもので、弁護士会の領域を維持拡大し、それは、一般依頼者に対する弁護士費用請求に乗っかってきて弁護士費用が低くならない要因となるものです。
そうなると、どうも両者は、増員という「結果以外」一致していないような気がするんです。
ところが、司法改革推進派は、この矛盾する立場を時と場合によって使い分けていて、どうにも自分たちの都合の良いことしか言っていない気がするんです。あるときは市場原理、あるときは慈善活動と。
そこで、今般の司法改革が、どちらの立場からの増員なのか明確にしていただきたいのです。
そうしなければ、また、そのときどきで都合の良い論理でその場をごまかされてしまいます。
議論を明確にするためにも、逃げどくをゆるさないためにも是非お願いします。
なお、両者の折り合い点として業務拡大というものがありますが、法廷に立つ必要がなく、単に法律知識、交渉力を頼る領域であれば、弁護士である必要はなく、能力検定で十分であること、弁護士は弁護士会費や事務所費用でコストを負っていてそれが報酬に反映されることから、それらのない者、つまり弁護士以外の者に頼めば十分な場合弁護士は依頼されないでしょう。実際は、弁護士の専権事項以外は、さほど業務拡大は進まないと思います。
あと一点ですが、
競争が激しく、淘汰の可能性が高い職業というのは、たいてい参入コストが低いのが通常です。
また、ボランティアをする資格を得るのに、誰が一千万近い高額の費用を負担するのでしょうか?
しかも,費用をかけても資格を得られない可能性も高い状態で。
この点での費用対効果で法科大学院、いや法曹希望者が減少しているという常識的発想は、司法改革推進派の人にはないのでしょうか?
つらつらと書いてしまいましたが、この点を明らかにはできないのでしょうか?
よろしくお願いします。
旧試験の最終合格者数について法務省は既定路線通り粛粛と、まさにお役所通りに事務処理しています。だったら、予備試験についても、まさに淡々と事務処理するはずですよね。法科大学院卒と同レベルの資格認定試験です。私は旧試験の短答ではだいたい上位10%に位置しています。その私が新試験の短答を解いてみると、だいたいロー卒受験生の上位35?40%の位置にきます(新試独自科目があるため、ここを強化すればもっと上に行くでしょう。ちなみに試験時間はたっぷり余ります。)。以上から推察するに、仮に旧試受験生が予備試験にそのまま移行すれば、予備試験最終合格者は2000名でもおかしくないと思われます。旧試短答1500位の私でさえ、新試短答受験生の平均を軽く超えるのです。
千葉法相の続投は批判されるべきです。
すでに神奈川で民意が示されています。
法相は、司法制度改革の問題でも、業界団体、利益団体、官僚を御しきれていません。
正直、現法相の下では、司法制度改革の問題点を改善する思い切った行動がとれるとは思いません。ことの本質を十分に見極められているとは、とても思いません。
本当は、河井さんに法相をやって頂きたいのですが、せめて、民主党が千葉法相を無責任のまま見過ごさないで下さい。また、民主党が官僚寄り、法科大学院をはじめとする利権団体寄りのおかしな人物を新法相に就けないように、しっかりとした監視をお願いいたします。
失礼ながら、思っていた以上に河井先生がご活躍されているようで嬉しく思っています。
民主党の橋本は単なる小沢の子分で何も考えてないし、何の役にも立たないように思えるので、河井先生に頑張って頂きたいと思います。
再び政権交代したら、本当に大臣の椅子が見えるかもしれませんね!頑張って下さい!!
民主橋本のブログは批判ばかりなのか、最近コメント欄を反映させなくなっています。河井先生のところはちゃんと批判的な意見も含めて反映させているので、それだけでも全然印象が違いますね。
次の選挙、橋本が比例でも復活できないくらいに負かしちゃって下さい!!
それから、外国人参政権についても考えを明らかにして頂ければ(反対ならば)、もっと大きな声で応援できるので、できればお答え下さい…
先生は、法曹要請に関する検討ワーキングチームなる組織が公表した7月6日に公表した検討結果はご覧になっていると思いますが、どのように思われるでしょうか。
あれは、法科大学院の法科大学院による法科大学院のためのWTです。
あそこまで酷い現状認識・論点のすり替えを行い、全ての事象を法科大学院の繁栄・存続に繋がるように解釈した、めちゃくちゃな内容です。
法曹養成制度の問題点・論点を本気で検証するならば、法科大学院制度の存在意義にさかのぼって検討されるべきなのに、法科大学院は、あたかも当然に存在すべきという前提から議論されています。
WTの中に法科大学院関係者が入っているのも問題です。法科大学院制度自体は動かさない意思の表れです。茶番としかいいようがありません。
彼らは、利害関係者であり、検証の対象とはなっても検証する側に入ってはいけないことは中立性・公平性の観点からは当たり前で、こんなことにすら頭を働かせない人間が法曹を養成して良いのでしょうか。
はっきり言うべきです。
法曹養成制度の失敗は、法科大学院の設置にあったと。法科大学院設置の前提がそもそも間違っていたと。
今月になって、ようやく大手新聞も司法制度改革弁護士増員の大失敗を報道し始めました。WTの方々はどのように思うのでしょうか。
こんな茶番劇を許す民主党・法務正副大臣には、ホトホト愛想が尽きました。
と同時に河井先生には大変でしょうが、まだまだ頑張って頂きたいと存じます。
これまで利権がらみで2つの団体で実施されていた適性試験が来年度から統一され「適性試験管理委員会」なる組織の下で実施されるそうです。
5月と6月の年2回実施し、志願者は両方受験可で、良い方を提出できるとのこと。名目上の理由は「受験機会を減らさないため」のようですが、そうだとするとどちらか一方の受験を認めれば足り、2回とも受験を認める必要はないはずですね。では、2回の受験を認める真の狙いは何か?
一つは少しでも多くの受験料収入を得るためでしょう。
もう一つは志願者数を多く見せかけるためだと思われます。これまでも適性試験の志願者数=法科大学院志望者数としてDNCとJLFの「延べ」人数で公表されることがほとんどでしたが(受験者のほとんどが両方出願するので実際の出願者数は半分程度に過ぎない)、その数字のからくりを実施団体が一つになっても維持しようとしている思われます。
そもそも適性試験なるものの存在意義には大いに疑問があります。にもかかわらず廃止の議論さえ行われず、適性試験ありきで新たな組織が生み出されたことにも違和感を覚えずにはいられません。
法科大学院制度の真実の姿を国民の目に晒すべく、河井議員のご活躍を期待しています。
政治家の皆さん。
司法改革の「司法」はいつから弁護士になったのでしょうか?
「司法」改革の真の本丸は、「最高裁判所」ですよ。
最高裁判所マジックに見事に煙に巻かれてますけどね。
司法の独立は尊重されるべきですが、内閣の任命、指名権があるように、民主政に対して治外法権を持っているわけではなく、「司法の独立」を侵さない範囲で関与は出来ます。
閉鎖的な官僚主義の最後の牙城でありパンドラの箱でもありますが、他の先進国からすると異様かつ国民にとって非常に使いづらいものです(印紙代の高さを持ってみても、本当に法の支配を目指しているのか怪しいものです。)。
刑事は裁判員制度が導入されましたが、
民事訴訟の一部、とりわけ行政訴訟などでは、かなり一般常識と離れた官僚主義っぷりを発揮しています。
訴訟制度はもちろん、職業裁判官制度、裁判官人事制度は、相当制度疲労を起こしているんではないでしょうか。
これからの問題であり、かつ相当根深くはるかに困難な問題だとは思いますが。
驚きました。修習生の貸与制になったときの最高裁指定の保証人がオリコになるというのは本当でしょうか。
オリコに保証を受けた弁護士が、オリコからの借金に苦しむ人の依頼を受けたらどうするのでしょうか。債務整理、破産の仕事が出来るのでしょうか。
オリコに保証をさせてまで行う貸与制とはなんなんでしょうか。
そうまでして、修習にかける費用を減らしてロースクールの補助金を維持したいのでしょうか。
ここまでの笑い話は、未だかつて聞いたことがありません。
なんなんでしょうか。司法改革というのは。本当にまともな大人が考えて行っているのでしょうか。
教育にかける金が「無駄」とか・・まったく・・
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